2015年12月31日木曜日

人工知能は黒白の夢を見るか

本日は、下記2つのリンク先(別窓で開きます)の記事を基に書いておりますが、
飛ばして頂いても大丈夫な内容になって…いるかと思います。
(お時間がございましたら、ご参照ください♪)

【nitro15】
Googleの人工知能vs人間、対決実現?グーグルのエンジニア、囲碁対決示唆

【WIRED】
Facebook Aims Its AI at the Game No Computer Can Crack


さて。これらの記事が囲碁クラスタを賑わせていた頃、
SF脳の下っ端は、ワクワクしながらも首を傾げておりました。

「AIがネットの海から拾い上げた囲碁関連のデータで自習して、
 プロ棋士を超えてみせるよ!」

と言っているみたいだけれど、例えていうならこれは

「門前の小僧さんは、経を習わずとも高僧になれますよ」

っていうことなのかしらん。

…いやいや、小僧さんがお経を違わず諳んじるようになるのと、
仏智を得るに至るのは、また別のお話のはずでしょうに、
途中どんなドラマがあってそんなことになるのか、
さっぱり理解できません。

そこでカギとなるらしいのが、「deep learning(深層学習)」という言葉。

記事には、

「うちのコは2~3か月の学習で、従来型AIをやっつけることが出来ました!」

などという、怪しい通販の謳い文句のようなことが書いてあるのですが、
そんなことを可能にする技術って一体どういうものなのでしょう。

なんだか面白そうだから、色々調べてみよう!
…と、思い立ってから既に2か月弱。

比較的分かりやすく説明してくれているらしきサイトから、
勢い余って横文字の論文まで目を通してはみたものの…。

ヒトの脳をモデルにしたソフトウェア「ニューラルネットワーク」を
多層構造にしたもので必要な情報を抽出(オートエンコーダー)するシステム、
とか言われましても…うん、なるほどわからんというやつです。

といって、諦めたらここで終了ですので、
うーんと大雑把に下っ端のイメージを述べてみたいと思います。

たとえ話として、下っ端とその仲間が3チームを作って
「衣装ケース一杯に入った様々な動物のぬいぐるみ中から、猫を選ぶ」
という作業をするとしましょう。

ただし、私たちは「猫」なる生物が何なのかを知りません。
さて、どうやって猫を選んだらいいでしょうか。

1.Aチームは皆で相談して、尻尾のあるぬいぐるみを選り分け、Bチームに渡します。
  (ヘビやら魚のぬいぐるみ入り)

2.Bチームはその中から、耳が三角形のぬいぐるみを選り分けて、下っ端チームに渡します。
  (微妙な縫製の馬のぬいぐるみも仲間入り)

3.下っ端チームは更にその中から、全体的にもふもふした印象のぬいぐるみを選び、
 声を合わせてせーの、で発表します。

「この可愛いのが猫だと思う!」

…ええと。
なんだか、更に分かりにくくなったような気がしないでも。

話を戻しまして、ニューラルネットワークをこの各チームとすると、
チーム内会議を含めて1~3のように、

「人の介在なしに行える手順そのもの」

を、deep learningというのかな、と思うのですが…どうなのでしょう。ごにょごにょ。

たとえ話に出した判定方法では、垂れ耳スコティッシュや
もふもふ素材以外のぬいぐるみは猫以外と分類されてしまいますし、
ここまで都合よく、正解まで一本道のはずがありませんけど、
賢いヒト達の作った賢いシステムは、この学習法でなんだか凄いことが
出来るようになっているみたいです。

googleさんのチームが作ったシステムは、人間が行った場合の誤差が5.1%だった
顔認識の作業を、誤差4.8%で出来たのだとか(2014年データ)。あらまあ。

ただ、この「これはヒトの顔だねっ!」という作業が出来るようになるまで、
1万6000個のCPUコアで構成されたシステムをもってしても1週間かかったそうなので、
更に複雑な思考を要する囲碁の、しかもプロ棋士クラスに育つまでに、
どのくらいの規模と時間を要するものでしょうか…。

でも、ここで大事なのは、「ヒトが作業手順や正解を教えているわけではない」というところ。
システム自身が、与えられたデータからヒトのように「手順を考え」て「役割分担」し、
「検討」して、「結論をだす」という点にあります。

ヒトの子供が育つように、見て学んで、猫を見つけ出すのも、顔を見分けるのも、
囲碁を覚えるのも、ぜーんぶ一人でできるもん、なシステムになるかもしれない、その可能性。

やっぱり仕組みは全然分からないけれど、それは凄いことだと思うのです。

下っ端としては、囲碁くらい敗れざる聖域であってほしいと願う反面、
ヒトの生み出した、寝ることも食べることも必要のないコンピュータのシステムが
一人(?)でコツコツ考え続け、棋力を磨いていく様を思うと、
やっぱりちょっとワクワクしてしまいます。

そして、そうやって特定の師を持たずに玉石混交のネット情報だけで
お勉強したコは、一体どのような棋風に育っていくのでしょうか…。

まあ、市販の囲碁ソフトにすら勝てない自分が偉そうに言えることでもなく、
勝てるとしたらせいぜいが脳の消費電力の少なさくらいですけれど、
せめてコツコツ頑張る気持ちくらいは負けないようにしたいと思います…。

(author:下っ端)


以下、余談です。
「トランセンデンス」という映画の内容に触れておりますので、
まだご覧になっていない方は開かれないことをお勧め致しますm(._.*)m

2015年11月19日木曜日

試行錯誤碁石洗い③

碁石を洗う、ただそれだけのことを3回にも亘って書き連ねて
まいりましたが、今回がラストです。

そもそも、普段の生活ではズボラを絵に描いて額装したような
下っ端が、なぜこれほどまで衛生面に気を付けているかと申しますと、
開店準備中に受けました「食品衛生責任者養成講習会」で、
食中毒の恐ろしい話をさんざん聞かされたからです。

(最終的に「発生は運次第」と言われましたけれど…!)

次亜塩素酸でしか退けられないノロウィルスは仕方ないとしても、
その他の原因菌で事故を起こしましたら大問題、
とても下っ端が取り切れる責任ではありません。

お客様が直接手にされる碁石だからこそ、
本日もせっせと洗うのでした。


さて、前回の続きです。
紆余曲折を経まして、当サロンでは現在、以下のような方法で
碁石を洗っております。





 ■ザルを使うと、碁石に混じってしまったホコリや髪の毛等を取り除きやすいです。
   (金属製のザルを使うと、碁石に傷がつく場合があります)

 ■碁石が重なったり下になる面は意外と乾きにくいので、
   タオルでパタパタはたいてざっと水気を取ってから、
   バスタオルに広げて一晩自然乾燥させます。

 ■欠けた石がないかチェックしながら碁笥に戻します♪


体力の限界から碁石にツヤを出す作業は諦め、
ただ上記の洗浄作業をくり返しておりましたら、
碁石も何か諦めてくれたのでしょうか、それなりに
滑らかな表情になってきました。

ただ…
あまりにもツルツルと手馴染のない碁石たちは、
乾燥肌の下っ端のような手には、非常にホールド
しづらいものとなったのでした。

清潔と使い勝手は両立しないものですね(泣


(author:下っ端)

2015年11月8日日曜日

「棋聖戦・棋譜解説会」よもやま話

碁石洗いのお話は(またしても)一回お休みしまして、今回は
11月21日(土)に当サロンで行われる「棋聖戦・棋譜解説会」
ついて書かせて頂こうと思います。

【お客様向けのご案内状】

(※田原七段のお写真は、日本棋院様のご厚意により、
  使用許諾を頂いたものです。二次配布はご遠慮ください。)


当サロンも加盟しております「全碁協」の理事、
新宿「秀策」の席亭・桑原様からお電話を頂いたのが9月の末ごろ。

「田原靖史七段から打ち合わせの電話が来ますから、
 日程その他が決まったら連絡してください」

…え。うちに、ぷ、プロ棋士がいらっしゃるの!?
ふわあ!と舞い上がったあと、

「田原七段って、どんな方だっけ…」

などと失礼なことを思う、勉強不足の下っ端。
お招きする以上、リサーチせねば!と、検索して見つけたのがこちら。



…囲碁じゃなーい;

けれどまあ、人となりは分かるかしらと思って再生してみましたら、
存外に「人狼」というゲームが面白くて、最後まで観てしまいました。

…そうじゃなくて。

田原七段についての感想はと申しますと、
「洞察力に優れた怖そうな人」でした;
この方をおもてなし…と考えただけで、胃がキュッと音を立てそうです。

そんなある日、とうとう田原七段からお電話が掛ってきました。がくがく。

「田原と申しますが…」

あれ?動画と違って、落ち着いた優しいお声。
席亭に取り次ぐまで、二言・三言お話させて頂いたのですが、
とっても丁寧な印象を受けました。

動画の田原七段が怖そうに見えたのは、勝負の場面だったから
なのね、と胸をなで下ろしたのでした。

(ほっとして嬉しくなったので、ちょっと描いてみました。
 ゲームもやってみたいのですが、下っ端のような単純構造頭では、
 同じサイドの方に迷惑をお掛けするだけなんだろうなあ…。)




ところで、「棋譜解説会は分かるけど、どうして棋聖戦?」なのかと申しますと、

このたびの解説会は、「日本棋院」様と棋聖戦のスポンサーである
「読売新聞社」様との主催で行われるものだからです。

【日本棋院様から頂いたポスター】


「全碁協」が共催として、加盟されている碁会所と、
棋士の方々を取り持ちまして、順次解説会を開催していく予定となっております。

開催場所につきましては、全碁協HPに載っておりますので、
 ぜひチェックしてみてください♪

下っ端は当日お出しする、おやつの構想を練りながら、
皆様と解説会でお会い出来るのを楽しみにしております。

(田原七段が甘いもの好きかどうかについての調べは、
 まだついておりませんが…。)

ご都合が宜しければ、ぜひ足をお運び下さいますよう、お願い申し上げます。


(author:下っ端)

2015年11月3日火曜日

試行錯誤碁石洗い②

前回の方法で碁石を洗ってみた翌日、
自然乾燥させた碁石を見てみますと…
なにやら粉を吹いたようになっていて、愕然としました。

…洗う前より汚っこく見えるって、どういうこと!

購入したての碁石には、石同士の接触による傷を防ぐため、
ワックスのようなものがついているのですが、
洗剤を溶かしたぬるま湯につけた程度では
落としきれなかったのでしょうか。

ともあれ、こんな石では、お客様にお出し出来ません。
もう一度洗い直してみることにしました。

更に翌日…。

粉こな感は多少軽減したものの、艶は全くなくて、
その辺で拾った小石のような感じです。
一体どうしたらいいのかしら…。

再度、ネットにお伺いを立てましたら、
「艶の回復には椿油」という対策方法が載っておりました。

椿油は持っておりませんでしたし、とても高価な物なので、
口に入っても大丈夫な油なら何でもいいよね、ということにして
オリーブオイルに頑張ってもらうことにしました。

少量のオリーブオイルを布につけて揉みこみ、
碁石に塗布していきます。

しかし、ここでまた問題発生。



毎夜、寝不足でふらふらしながら碁石を磨いておりました
下っ端に、セコンドの席亭からタオルが投げ込まれたのは
一か月後のことでした…。

次回はラスト、碁石洗い現況報告です!
(需要はあるのかしら…)


(author:下っ端)

2015年10月30日金曜日

詰碁は詰めるためにあらず?

今回は、碁石洗いのお話を一回お休みしまして、
本日のお客様と席亭の対局中に、盤面に現れた詰碁問題を
ご紹介したいと思います。

(先にTwitterへ上げてしまいましたけれども)

まずは、問題。
シンキングタイム・スタート! チクタク チクタク…(アナログ)


ポーン!(終了音)

…ことごとく外しているヒトもおりますが、いかがでしたでしょうか。
(解答は下の「もっと読む」からご覧ください)


つねづね席亭から「詰碁しなさい」とソフトな雷?を落とされる
下っ端ですが、わりと最近まで、どうして詰碁が大事なのか
分かっておりませんでした。

席亭自身、「こんな形は、実戦じゃ出てこないけどね」
などと言う問題もありましたし。

それなら、どうして詰碁は必要なのでしょう。


例えば、目の前の机にナナフシ(枝に擬態する昆虫)がいたとしましょう。
虫の苦手な下っ端は、当然びっくりするわけです。

ところが、机と同じ広さに林を囲って見せられても、
「そこにナナフシがいるよ」と言われるまで、多分気づかないでしょう。

同じように、「これは詰碁だよ」と出された「部分」の問題なら、
if~elseの総当たりをしてなんとか解くことは出来ても、
対局中の盤上から、他の石たちに埋もれているその「部分」を
見出す力は、下っ端にはまだまだ身についておりません。

そんな、盤面に隠れている「ナナフシ」を見つける訓練のために
詰碁を解くのだ、と思っていたのですが、席亭の意見は違うようで…

 「常に相手の最強手を読む。その力をつける訓練が詰碁なのーう!」

…だそうです。


大分、お酒が入っている時に聞いたせいで、語尾が若干残念な感じに
なってしまいましたが、つまるところ詰碁は万能薬ということなのでしょうか。

ヨッパライのお言葉ではありましたが、下っ端にとっては、苦手な詰碁も
頑張ろうかしら、と思う一助にはなったのでした。


(author:下っ端)


2015年10月27日火曜日

試行錯誤碁石洗い①

最初にお断りしておかねばならないのですが、
以下に挙げるお手入れ方法は、「硬質ガラス製の碁石」用です。
天然素材の碁石に用いると、劣化や破損を招く恐れがございますので、
決して試されませんよう、お願い致します。


ということで、今回は購入した碁石を初めて洗おうとした時のお話です。

右も左も分からない下っ端、まずは囲碁に関しては大先輩の
席亭に尋ねてみることにしました。

 下っ端 「どうやって洗うものなの?」
 席亭  「バケツに水と洗剤と碁石を入れて、かき混ぜる」

…なんですか、そのインスタント食品の作り方みたいな説明は!

そのような豪快な方法では、破損伝票を山ほど書くことになる
予感がしたので、大人しくネット検索することにしました。


あら、ヒカルの碁(コミック版・3巻P.55)にも碁石洗いのシーンがあったのね。
桶に水張って、碁石入れて…

…えええ、席亭が言った方法と一緒なの?
(かき混ぜるのではなく、押し洗いのようでしたが)


他にも色々検索してみた結果、概ね

 ① 水~ぬるま湯 (熱湯厳禁)+キッチン用中性洗剤少々に
 ② しばらく碁石をつけ置き
 ③ 水で濯いでからタオルドライ

ということでしたので、この方法で、早速洗ってみることにしました。
さて、一体どうなるでしょうか。

(こんな話題で恐縮ですが、次回に続きます)


(author:下っ端)



2015年10月22日木曜日

音の楽しみ

先日、下っ端の知人が、

 「うちの子は囲碁を打てないけど、
  ”石を打つ時の音が好きだから”
  と言って、ずっと囲碁番組を見ているのよ」

という話をしてくれました。

自分でも打ってみようかな、と思う日が来てくれるといいなあと
思いつつ、下っ端も石の音が大好きなので、うんうんと大きく
頷いたのでした。


しかし…

いい音をさせて打つって、結構難しくないですか!


碁石の持ち方と打ち方は、席亭に教えて貰ったのですが、
下っ端が打つと、なぜか「ぺち」とすら音が出ない、無音の碁。

席亭のように、腕がすっと前に出るのと同時に、
カッ!と澄んだ音を立てられたら格好いいのになあ…。


以前、Twitterにも書いたことがあるのですが、
当店の一周年記念にお客様から頂いた、
菊池康郎先生の打碁集に挿まれているエッセイに、

 「一人碁をしすぎて、人差指の爪が割れた」

という幼少時(!)の思い出があって、
とてもびっくりしたことがありました。


そこまで行かずとも、打ち続けた結果としての石音なのであって、
下っ端が無音なのは、さもありなんということでしょう。

まずは棋力アップを目指して、日々無音を重ねて行きたいと思います。


(author:下っ端)



2015年10月15日木曜日

碁ビュタント

アニメの「ヒカルの碁」が流行った時、囲碁に興味を持ってくれた方たちの、
受け皿となる場所や人材が足りていなかった、という話を
ちらほら伺うことがあります。

今なら絶対そんなことないのに!と思っていたのですが…。


先日、下っ端と対局してくださった、とっても可愛い(アッキーナと
バレーボールの木村沙織選手を足して2で割ったような)女性が、

  「碁会所に行ってみたら、入門者はちょっと…とお断りされてしまって」

というお話をされて、ドキッとしました。でも、すぐに続けて

  「たまたま指導できる方がお忙しかったか、
   同じくらいの棋力の方がいなかったのかも」

とおっしゃって下さいまして、碁会所自体にはマイナスのイメージを
持たれなかったご様子に、ほっと胸をなで下ろしながら、
諦めずに当店へいらして下さったことに感謝したのでした。


下っ端がこのようなことをいうのもおこがましいですが、
囲碁は一生ものである分、遥かに遠い道のりを思うと
時々くらくらしてしまって、単純に楽しい面だけを語って
いいのかしらと思うこともあります。

でも、囲碁と出会われて、更に碁会所にも行ってみようと
思ってくださった方の、初めの一歩を踏み出す場所ともなり得るわけで、
それに相応しい時間を精一杯提供していかなくては、と
改めて思ったのでした。

碁会所って楽しいかも!と思って頂けたら何よりなのですが…。

また下っ端と打ってくださらないかなあ、と心待ちにしつつ、
可愛い以上に聡明な方でしたので、下っ端などさっさと越えて
あっという間に遥か先を行かれるような予感がしてなりません…。


(author:下っ端)



本日の4コマは、囲碁にご縁のなかった頃の思い出です。

今となっては、これほど性格の違うゲームがどうして
一緒の部活なのかが、よく分かりません…。



2015年10月12日月曜日

囲碁の効用?

こども囲碁教室では、基本的なルール説明をしたあと、

 「じゃあ打ってみよう」

と、すぐ実戦に入ります。

その教え方を初めて拝見した時は、とてもびっくりしたのですが、
まず本を用意して、基本定石を覚えて…と、
幾重にもガードを固めてからでないと
一歩を踏み出せなかった自分よりも、ずっとずっと、
囲碁の楽しさをストレートに味わっているように感じます。

でも、楽しい反面、悔しいと感じる気持ちも大きいのでしょう、
今日のこども教室では、堪えきれず涙を流すお子さんの姿が。

I先生は、そんな彼を励ましながら、そっとティッシュを渡し、
下っ端は心の中で「がんばれー」と応援しておりました。
(なんて使えないヒト…)


「囲碁の効用」などというと、猛烈な反発を招くことは
囲碁未来の放送でよく分かった上で書くのですが、

それはもう超がつくぐらい負けず嫌いの席亭が、
普段の生活で全くといっていいほど怒りを表に出さないのは、
子供時代にくり返した「負ける」経験によるものではないか、
と思うのです。

負けることに慣れる、ということではなく、
泣こうが喚こうが現実は変わらないのだから、
気持ちを切り替えて、別のアプローチを探す。

そして、最後には勝つ!


席亭自身、どうしたら囲碁が上達するかとの問いには、

 「負けた時の碁を思い出すのはとても苦しいけれど、
  その駄目だった手を覚えておいて、絶対くり返さないようにする」

と答えていたことがありました。

その方法論は、現実の生活にも活かされている、と、
身近に暮らす下っ端としては思う次第です。

まあ、それが出来れば苦労はしないんだよー、と
いじけた気持ちになることも否めませんが…。


(author:下っ端)




2015年10月8日木曜日

サロン事始め②

本日は、席亭の「碁会所やるよ」宣言の続きのお話です。
(画像をクリックすると、多少大きいサイズでご覧頂けます)


お店を始めた当初、店内で唯一囲碁が分からないヒトとして、
身の置き所がないような気持ちに囚われておりました。

なんとか打てるように!と思い、次からつぎへと身の丈以上の
内容の囲碁本を漁っては、

 「こんなことが分かるようになるのかしら」

と、ため息をつく毎日。

それから一年半が経過しましたが、残念ながら下っ端の棋力に
劇的な変化はなかったりします。

焦っても仕方ありませんし、出来ることからコツコツと~と
思って勉強を続けているのですが、いつも教えてくださる
席亭母やお客様方には、なかなか進歩の証をお見せできず、
申し訳ない限りです。

席亭はといえば、自分の勉強が忙しいこともあるのですが、

 「級位者のお客様にちょうどいいから」

などといって、あまり真面目に教えてはくれません。

初心者教室の生徒さんに教えるように、
下っ端にも教えて欲しいところです…。


(author:下っ端)




タイムマシンがないのなら

本日Twitterのタイムラインを賑わせていた、
ニコニコ生放送「日本囲碁界の未来を語る会」のタイムシフトを
先ほど見終わりました。

…一度見ただけでは殆ど内容が頭に入らなかったのですが、
気になったコメントについて、(あくまでも下っ端の個人的な)
感想を書いてみようと思います。



■コメントその1:「子供に囲碁を押し付けるな」

もちろん、自発的に囲碁を好きになってもらえるなら、
それが一番だと思います。

しかし、両親とも囲碁が打てて、緑星学園に通わせて頂いた席亭と違い、
子供時代の下っ端には、囲碁に親しむ機会が全くありませんでした。

不惑を過ぎてから囲碁を覚えようとしている下っ端がいつも思うのは、
  「子供の頃に基礎だけでも学べていたらなあ」
ということです。


「琴棋書画」と並び称される教養のうち、現在、義務教育で取り入れられて
いないのは囲碁だけです。

図画工作苦手、学校の音楽つまんなーい、そういう子も中にはいる
ことでしょう。でも、それは教育の押しつけでしょうか。


まずは出会う機会を作ること、それが大事ではないかと思うのです。
(それが、うーんと楽しい出会いになったなら、もっと素敵)

囲碁って面白いな!と思ってくれたら続くでしょうし、
興味が沸かなければそれまでのお話。

今は興味がなくても、大人になって改めて囲碁を打ってみたく
なった時、子供の頃の手続き記憶が役にたったりとかしたら、
それも素敵。

こどもにとって何が必要となるかは分かりませんが、
義務教育と言う平等に与えられる機会ならば、
選択肢は多いほうがいいに決まっています。

…成績が絡んでくるのは世知辛いことですけれど。


まあ、これはもう、ただの囲碁好きからの視点かもしれませんね;
自分がこどもの頃に出会えなかった機会を持たせてあげたいという、
ただの我儘かもしれません。



以前Twitterのタイムラインで子供囲碁教室をされている方の統計を
見たのですが、初段突破の対局数ラインは、大体一千局くらいでした。

計算が苦手なので正確ではないと思いますが、お休みの日などを
適当に除くと、週に大体20局くらい打てたら、1年で初段さんくらいになる…
ような気がします。

初段あれば、テレビやネットの棋戦中継の解説も理解できます
でしょうし、楽しくなる一方ではないでしょうか。

大人になっても一緒に打てる仲間がいたらもっと楽しいでしょうし、
パートナーやこどもと打てたら、もっともっと…。

そうやってどんどん裾野が広がっていったらいいのになあ!


当サロンは、一般社団法人 全日本囲碁協会という団体の会員です。

全碁協では、囲碁を小中学校の正課に取り上げて頂くため、
年内いっぱいまで10万人を目指しての署名活動中です。

趣意書ならびに署名用紙は全碁協のサイトからダウンロードできますので、
ご賛同頂ける方は、ご協力のほど何卒お願い致します。



■コメントその2:「碁石を、もふもふにしたらいいじゃない」

何それ可愛い。作って…みたくなってしまうじゃないですか!


■ラストの「1分間で思いのたけをぶちまけようのコーナー」

…そんな名前はついていなかったかもしれませんが、
当サロンでこども教室をされているI先生や
十三路盤大会主催の政光さんのお顔を画面越しに拝見できて
嬉しかったです。

ああいう場所で発言できるって、ものすごく勇気があるなあ…。


(author:下っ端)


本日は絵を描く時間が取れませんでしたので、ニコ生用に作った
放送準備中の看板絵を貼っておきます。話題に関係のない画像ですみません;


2015年10月5日月曜日

放送反省会

本日は、席亭のニコ生放送デビューを振り返ってみたいと思います。
退屈かと思いますが、しばしお付き合い頂ければ幸いです。

そもそも、席亭はニコ生を殆ど見たことがありませんでしたので、
「わこつ」や「888888」などの基本用語や、ニコ生ならではの
お作法を下っ端が付け焼刃で伝授しましての、
ほぼ出たとこ勝負となりました。

しかし…

1枠目は、画面の切り替え忘れ(対局画面と検討画面)と、
終了時間の見損じ。

 (途中、下っ端がカンペを出していたのですが、
  見る余裕がなかったようです。

  声も固かったですし、席亭にしては珍しく緊張していたのでしょうか。
  普段はもっと面白い人なのですが;)

2枠目は、締めの言葉はきちんと言えたものの、
最後まで対局をお見せすることが出来ず、来週へ持ち越し。

 (尺の問題は、回を重ねて慣れていくしかないと思いますが、
  全体的に面白いかと言うと…ごにょごにょ)


放送スタイルは色々ありますが、下っ端としてはリスナーさんと
やりとりしつつ一緒に番組を作っていけるのがニコ生のいいところだと
思っているので、なるべくコメントを引き出していけるような
放送にしたいなあと思っています。

席亭がどう考えているかは、また別なのが困りものなのですが。
わりと我が道を行く人なので、ちょっぴり心配です…。

 (ご視聴期限は10月10日くらいまでです)

(author:下っ端)


作ったけれど使ってもらえなかった締め絵↓








2015年10月4日日曜日

ハローワールド

本日は、ついに席亭がニコ生放送デビューいたします。

  「面倒くさくなってきちゃった」

…どこからか戯言が聞こえたような気がしますが、
下っ端の残業を全て無にするような鬼はいないと
信じます。

信じて…いいですよね?


一抹の不安がよぎりますが、

「囲碁放送局ねこのかお」は、
本日10月4日(日)21:00より放送開始予定です!

■営業状況により、放送時間が多少ずれ込む可能性がございます。
 予めご了承のほど、お願い申し上げます。

■ご視聴には会員登録(無料)が必要となります。


リクエストにあった席亭の萌え声、出せるように
なったかしら…。


(author:下っ端)




2015年10月3日土曜日

サロン事始め①

囲碁サロンのブログを謳っておきながら、殆ど囲碁について
語られることがないというこのブログ。

本日も余談でございます…。


席亭と下っ端は、生年月日の下一桁以外が一緒の不惑組、
ミドルエイジ・クライシスなどと脅されるお年頃です。

下っ端の母が彼岸の住人になりました時、
ぼんやりと思いました。

「私の人生が母と同じ年齢で終わるとしたら、
 席亭と一緒にいられるのもあと20年くらいだなあ」

そして、お店を始める二年半ほど前に、席亭が少々珍しい病を得て
入院したこともあり、今後の人生というものをちょっぴり真剣に
考え始めたのでした。

まさか一年後に、席亭がさっさと行動に移すとは思いもせず。


…というお話を絵に起こしてみました。
不定期の続き物になるかと思われますが、
宜しければご覧ください。

(画像をクリックすると、大きいサイズでご覧いただけます)


(author:下っ端)




2015年10月2日金曜日

小人閑居して

当サロンのある千鳥町駅周辺には、ファストフード店や
コーヒーショップがありません。

「ちょっと早めに駅についたから、ここの開店時間まで
どこかでコーヒーでもと思ったのだけれど…」

そうおっしゃるお客様の声を、何度耳にしたことでしょう。

でも、もう大丈夫です。最近できた2軒お隣にある
フローズンヨーグルト屋さんは、コーヒーのみのご注文も可!

(という情報をお客様伝手に得たのですが、私共はまだ
入ってみたことがありません…)

ある日のこと、某チェーン店の二段重ねバーガーが
食べたいなあ…と席亭が呟きました。

こういう場合、独り言とは名ばかりのサジェスチョンで
あるということは分かり切っておりますので、一つ
作ってみることにいたしました。

まずはハンバーガーペーパーから!
(スタート地点が既におかしい)

バンズを作って、パティを焼いて、はい出来上がり。
お待たせいたしました♪

…。

中二日掛りました。

全く、何をしているのでしょうね…。


(author:下っ端)




2015年10月1日木曜日

静の海から

本日は、囲碁と猫らぶが共通点の、teamoon.様がご来店!

太極拳の先生ということは存じ上げていたものの、
無風の水面のように静謐な印象のteamoon.様でしたが、
初めて(置き碁で)打って頂いている間、
音楽・特撮・猫・漫画と会話の引き出しが次々に開くお話上手。

会話の死角が全くなくて、あっという間に時間が過ぎてしまいました。

月というのは、地球側から見た面と反対側の面では
まるで印象が異なるものですが、お名前に月を抱く
teamoon.様の、今まで見えていなかった側を覗かせて
頂いたようで、とても楽しかったです。

色々びっくりするようなお話を伺ったのですが、
プライベートに関わることでもありますので、下っ端の胸の内に
収めつつ1つだけ。

「功夫」という言葉は武術の1つを指すだけでなく、
「腕前」という意味でもあるのだそうです。
(あと、発音は”コンフー”に近いそうです)

e.g.「あの人は囲碁の功夫がすごい」

しかし、席亭や下っ端とさほど違わない年齢でいらっしゃるのに、
どうしてこうも人生経験が違うのかしら…。


teamoon.様のブログはこちらから→「功夫(kungfu)漂流記

(author:下っ端)


2015年9月29日火曜日

そのひとの名は

おうちで食べる用のパンをのんびり焼いておりました夕暮れ時、
その初来店の女性はいらっしゃいました。

下っ端と打って頂けるかも!と淡い期待をいだきつつ、
ご記入頂いた顧客カードを拝見しましたら…
あわわ、有段者の方でした。

今までの経験上、若くてお強い女性のお客様は、
囲碁のインストラクターさんや元院生の方、ということが
多かったので、この方ももしかして?と思いながら、
それとなーく拝見することしばし。

下っ端には全く理解の外でしたが、なにやら嬉しそうな
席亭の態度から察するに、的確な質問と検討が続いたのち、
その女性がおもむろに口にされたのです。


  「実はわたし…」


次週、「そのひとの名は」をお楽しみに!

…。

はいっ。なんと、Tokushima IGO Project の方でした!

本州と四国を股に掛ける八面六臂のご活躍で、
近頃の囲碁界にフレッシュな風を吹き込まれていらっしゃる
ご様子をTwitterで拝見するたびに、
自分達も頑張ろう!と元気を頂いておりました。

そのTwitterの中の方が、下っ端の目の前に。

可愛いし…
有段者さんだし…

何より、小さな体一杯に詰まった素敵なアイディアを、
夢で終わらせないその行動力。

これが舞い上がらずにいられましょうか。
……否!

ということで、ただの不審者と化していた下っ端でしたが、
Tokushima IGO Project を、これからも応援しております。

お忙しい中のご来店、本当にありがとうございましたv

(author:下っ端)


2015年9月28日月曜日

月みて跳ねる

日本棋院弘前支部・山道町囲碁クラブ(@YMC_IGO_CLUB)様の、
いつも郷土愛に満ちている呟きの中で、ご当地の和菓子屋さんの
「雪平餅」を紹介されていたことがありました。

「求肥にメレンゲを混ぜ込んだ生地」という、今まで知らなかった作り方に
とっても興味が沸き、いつか作ってみたいなあと思っていたのです。

そして迎えた中秋の名月、念願叶いまして、おやつデビュー!

…。

…結論を先に申しますと、

  「餅菓子は難しいよ!」

です。

味はさておくとして、
お餅は包むスピード(生地が冷める前に包め!)と、
成形技術(均一に餡を包む!)が肝要。

何をさせても人様の倍はかかる下っ端には、鬼門としか
いいようがありません。

普通に作ってもハードルが高いのに、
途中でご予約の電話を取り、
お客様と対局して頂き、
果てはお茶も淹れられずに、席亭母をお使いだてする始末。

焼きゴテを当てて、うさぎに見立てる予定だったのですが、
おやつの時間に到底間に合わないので、
ただの大福としてサーブされました…。

また来年、頑張ります!

(author:下っ端)



♪うーさーぎー、おーいし(違)

さて、撮影の終わった写真のうさぎ達は
席亭と下っ端がもぐもぐと頂いたのですが、
下っ端が一口がぶりとやった瞬間、

「なんて残酷な…」

と呟いた席亭は呪われてあれ!

2015年9月27日日曜日

一手の重さ

毎週日曜日は「千鳥町こども囲碁教室」の日。

こどもというのは、こんなにも面白いイキモノだったかしらと、
毎週本当に見飽きません。

…と、先週までは観察するだけだったのですが。

「お教室にいるけれど、何もしない謎の大人」として認知されていた
下っ端でしたが、何故か手招きされて、9路盤ペア碁に参加することに。

本日はI先生とタッグを組んでの2子局。しかも初手担当。
お願いしますとご挨拶をして、打つ場所を見定めようと盤面を眺めたら、
手を動かせなくなりました。

下っ端の打った手で、今後の経営方針が決ま…きま…がくがくがく。

囲碁を始めたての頃は、19路盤は広すぎて、一体どこに打ったらいいのか
途方に暮れたものですが、9路盤は狭い分、一手の比重がとっても重たい!
どうしよう、どうしよう…。

…結果、大人げなく勝ちました。

どうか嫌われていませんように!
そして、いつか「あそこのひと」ではなく、名前で呼んでもらえますように!

でも、一体いつ自己紹介したらいいのかしら…。

(author:下っ端)


I先生に「話し合いしていいよー」と言われて、
戦略を練る二人でしたが、まる聞こえです…可愛いな!

放送出来るかな?

広く皆様に当サロンを知って頂くため、ネット碁のお友達に「niconico」での
インターネット配信を勧められて、その気になった席亭。

  「ということで、準備宜しく」


…さっくりと丸投げされました。

宜しくされてしまったので頑張るほかないのですが、
人間、出来ることと出来ないことがございます。

頭を抱えながらテスト放送をしておりましたら、
捨てる神あれば拾う神あり、
回線の向こう側から手を差し伸べてくださる方々が!

お店を始めてから、様々な「人のご縁」に支えて頂いていることを
日々感じておりますが、顔も名も存じ上げない方々にまで
ご尽力頂き、感謝の念に堪えません。

こちらをご覧頂けるかは分かりませんが、
あらためて御礼申し上げます。

そして、どうか無事に放送出来ますように!


囲碁放送局ねこのかお
コミュニティ番号:co2976079 です。宜しくお願い致します!


2015年9月25日金曜日

はじめまして!

ただいま、東京都大田区の囲碁サロン「ねこのかお」のブログを準備中です。

サロンで働く級位者「下っ端M」の素朴な疑問や、お店の裏話など、
Twitter(@neko__no__kao)の字数内で書ききれない記事や、
動画などもアップしていけたらいいなと思っています。

皆様、どうぞ宜しくお願いいたします。

(author:下っ端M)



【 囲碁を小・中学校の正課に!~10万人の署名運動~】

署名の締め切り(9月末)が迫ってまいりました。
皆様のお力添えを、何卒宜しくお願いいたします!

趣意書ならびに署名用紙のダウンロードは全碁協HPからお願いします。